4980 siro055


カステル・デル・オボ☆ Castel dell'Ovo(Napoli/ITA)

城郭(要塞) 水城 水辺の要塞 11世紀
 卵城(Castel dell'Ovo)は、サンタルチア港の小島に突出して作られた要塞である。もともとはローマ帝国にルクルスが建築した豪華な別荘であった。11世紀にノルマン人のオートヴィル家がナポリを支配すると、要塞として機能を拡大する。ノルマン人がこの城を築くにあたって、基礎の中に卵を埋め込み、「卵が割れるとき、城はおろか、ナポリにまで危機が迫るだろう」と呪文をかけたことが城の名前の由来と言われている。アンジュー家統治時代には税を納めるための倉庫に使われた。
 ナポリの起源は紀元前470年頃にギリシアの植民都市として建設されたことにさかのぼる。当時の町の名前は新しい都市という意味でネアポリス(Neapolis)と呼ばれ、碁盤の目のように整然とした都市計画のもとに整備されていたと考えられている。紀元前4世紀頃に古代ローマの支配下に入る。62年と79年に地震が起こり、深刻なダメージをナポリにあたえたが、復興をとげた。
 11世紀にノルマン人のオートヴィル家が侵入してナポリを支配し、その後ホーエンシュタウフェン家の支配に入った。13世紀に入ってアンジュー家がこの地でナポリ王国を興し、ナポリは繁栄を迎える。16世紀前半にアンジュー家が衰えると、ナポリはスペインの支配下に入った。18世紀以降はブルボン家による支配を受けたが、1860年にイタリア王国へ併合され、その後は他の都市と比べて近代化が遅れ、衰退した。
TABLE