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★シヨン城 Chateau de Chillon(Chillon/SWI)

城郭(城塞) 水城 十字軍の影響 12世紀
 12世紀から15世紀にかけて支配していたサボイ家が建設。モントルーの町、レマン湖畔の岩盤上にあるヨーロッパでももっとも美しい城の一つである。城の入口は屋根つきの橋で、これを落とすと湖中の岩上の城は水中に孤立する構造になっている。サボイ家は北イタリアの伝統ある貴族で、ヨーロッパの諸王家のなかでも由緒正しい家柄であり、はじめサボイ伯、ついでサルジニア王、さらにイタリア王にもなった。15世紀の末にベルン人の所有となり、修築され、外郭はその後ほとんど手を加えられずに今日にいたっている。
 湖水中の要害であるところから城の起源は古く、紀元前1000年ごろ、すでにケルト人が砦を築いていたといわれている。紀元前58年、シーザーの征服後はローマ駐屯軍拠点があった。ローマの後はブルグンド族の勢力圏に入り、9世紀にシヨンの大僧正の領地となったのち、12世紀にはサボイ家の所有となったが、このころ、現在のスタイルの城が築かれた。その後、城主も替り、近世になって荒廃していたものを19世紀になって詳細な築城データに基づいて忠実に復元したのが現在の建物である。
 モントルー近郊のレマン湖畔にあり、イギリスの詩人バイロンの詩「シヨンの囚人」、「シヨン城詩」の舞台として知られている。
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