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ビヤゼル(バーゼル) (Kasteel Beersel/BER)


  12世紀ごろ、ブリュッセル防備のための出城としてつくられた。ベルギーの城特有の型の三つの塔とそれをつなぐ城壁からなる戦闘的な中世の城塞である。  中世期にこの地方はまだ一つの独立国を形づくっておらず、諸侯領であったり、スペインそのほかの国に属していた。1489年、オーストリアのマクシミリアンに属していたビヤゼルの城主アンリ・ド・ウィッテムはブリュッセル市民の反乱を受け、ビヤゼルの城も市民の二度にわたる激しい攻撃で陥落、城の守備隊長は絞首刑に処せられ、城も壊された。反乱はマクシミリアンの援軍によって鎮圧されたが、マクシミリアンは市民に償いとして城の再建を厳命した。
 17世紀以降にはビヤゼルの城はアランベルクの皇子達の所有となった。のちにビクトル・ユーゴ1がこの城を訪れて1文を草している。静かな森に囲まれて、小さな濠の中に古色蒼然とたたずむ姿はいまだに中世の雰囲気を保っている。夏のシーズンには城の中庭でシェークスピアの劇が上演される。
 
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