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ビレーナ Castillo de la Atalaya(Villena Alicante/SPA)

城郭(城塞) 平山城 アラビア風 1140
 スペインの南西部海岸、アリカンテから北西に約70キロのところにビレーナの小村があり、村の中央の丘上に城塞が残っている。このアリカンテ地方は、フェニキア人が地中海沿岸に植民地をつくったころから開けた土地で、そののち北アフリカからのアラブの侵入の拠点にもなった関係で、古くから城塞のきわめて多いところであった。
 ビレーナの城もその一つで、近くにビアル、アルマンサの城もあり、13世紀のころにはアラゴン王国(当時、イベリア半島の東北部を占めた王国、のちカステリアと併合、スペインとなる)のハイメ1世は、1135年から1145年にかけてバレンシア地方に出兵し、アラブの勢力を逐ったが、1140年にはビレーナの城も占領した。そののちアラゴンあるいはアストリアの貴族の城となった。近年荒廃していたドンジョンなど修復されたが、その様式はスペインの城の一つの典型である。
 Castle of la Atalaya, built by the Moors in the 11th century
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