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シオン (Sion/SWI)


 スイスの南部、ローヌ川沿いの盆地の中心にある小都、静かな町シオンは、別名をステーンともいい、バレ県の県庁所在地である。  580年、バレの司教がマルティニからシオンに移ってきて以来、シオンはこの地方の中心地になった。  ここには一つの町に二つの城があり、町の南、岩山の突出したところにあるのが、シオンの城と呼ばれるバレリアの要塞である。  建物は、12世紀ころのロマネスクおよびコニ世紀ころのゴシック様式の教会をともなっており、要塞の内部もやはりロマネスク様式とゴシック様式の建築が共存している。  壁画は、1451年から57年にかけて描かれたものであるという。  山頂の城塞からのシオン盆地の眺めは絶好である。  町を望むもう一つの急峻な山上にはトルビヨンの城塞跡がある。このほうは完全に軍事的な城塞であり、その地形は難攻不落の歴史を伝えるが、この上からの眺望は素晴しいものである。ローヌ漢谷の旅の途中ぜひ寄りたい町である。
 
 
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