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ティンタジェル (Tintagel Castle/ENG)


 ローマ帝国がブリテン島に押し寄せてきた時、コーンウォール地方にまではその覇権は行き届いてはいなかった。しかしながら、この地の貨幣、陶器の破片から3、4世紀までには支配下に入っていたようである。ローマ街道の道標が二つ近辺で発見されている事から居住地があったと考えられている。地名は、恐らくは「ドゥロコルノウィウム」と呼ばれたと思われる。 1233年コーンウォール伯レジナルドによって城は建てられた。古のコーンウォールを治めた王たちの場所として思われ、またアーサー王伝説所縁の土地であるという理由からである。城は古のものと映るように古式の様式で建築された。レジナルドはこのようにして余所者に対して警戒心のあるコーンウォールの民の信用を高めようと考えていた。城自体の戦略的価値は全くなかった。
 ヴィクトリア朝時代、アーサー王伝説のブームが起こり、この城砦跡は観光地となった。1850年までティンタジェルの村はトレヴェナという名であったが、観光をアーサー王とキャメロット城の伝説時代に焦点を合わせて売り出すために、村は「ティンタジェル」と改名された。しかし厳密に言えば、ティンタジェルとは沿岸部の岬部分だけの地名である。
 
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