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カノッサ Canossa(Reggio Emilia/ITA)

城郭(城塞) 山城 15世紀
  イタリアの北部、パルマの町からアペニン山脈の中に34キロ入ったところにカノッサの小村と城の廃櫨がある。  建物もほとんど崩れ、わずかに塔や城壁の跡を残すのであるが、ここは1077年のはじめ、宗教権力と政治権力の葛藤から、ローマ法王グレゴリウス7世から破門されたドイツ国王ハインリッヒ4世が、許しを求めて法王に面会を申し込んだが、断られ、雪の中の門前に3日間立ちつくし、やっと法王に会うことができたという歴史上有名な『カノッサの屈辱』の舞台となった城である。  この史実は、一方的な法王側の記録で政治的意図が見られるというが、当時ヨーロッパで複雑な権力闘争を現す一端の物語である。  当時トスカナ女伯、マティルダの城であり、のちフェラーラのエステ家の属城となった。  11世紀と15世紀に建てられた城はすべて崩れ、今では城跡に小さい史料館が建つのみで時の流れを感じさせる。
 
 
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