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★オビドス Pousada de Obidos(Leiria/POR)

城郭都市(城塞) 平山城 イベリア半島 16世紀
 古代ローマ時代には城砦(じょうさい)が築かれた。イスラム支配の後、1148年アフォンソ・エンリケス(後のポルトガル王アフォンソ1世)が奪還。13世紀にディニス1世の妃イザベルが山間のこの地を気に入り、以降19世紀まで代々の王妃の直轄地となった。城壁に囲まれた街並みには、中世の面影が色濃く残っている。
 オビドスの町は小高い丘陵地の上にあり、その周囲に古い城壁が累々とつらなっているが、この城壁はアラブ入によってつくられたものである。アラブ人から奪回された後、城郭都市の形態はそのまま受けつがれ、13世紀のサンチョ1世、14世紀のフェルナンド王、16世紀のマヌエル王の時に補修・改築されている。町の中では白く塗られた古い家々が狭い道をはさんで並び、町の一角にキープをもった城がある。キープは14世紀のもので、城内の扉や窓にはマヌエリック風の建築様式がうかがえる。
 
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