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バル Chateau de Val(Lanobre, Cantal/FRA)


  フランスの中部高原地方にクレルモン・フェランの町がある。ドルドーニュ川はこの辺りに端を発し、流域には多くの城があるが、それらはロワール流域の城のように王城・宮殿ではなく、地方貴族のものであり、公開されていないものもある関係で、華やかな脚光を浴びた城はさほど多くはない。  バルの城は、クレルモン・フェランの町から西に80キロほどの湖水地帯の中にある。この湖水はドルドーニュ川をダムでせきとめた人造湖だが、城はかつて川辺にあったものが、今は湖の中の小島に孤立した形になっている。湖岸から堤防によって結ばれて水の中にある姿はスイスの名城シヨンにも似ている。修理はされているが、15世紀以来のオリジナルな城館で、小尖塔の林立する構造はヨーロッパの城の一つの典型的なパターンを示している。城内も中世来の古いつくりが残されており、ルネッサンス風暖炉や調度が目をひく。  近年、この城のそばにヨットハーバーができ観光地として知られる。
 This fairy-tale castle dates from the 15th century and is located in the 'Parc des Volcans' region of Auvergne in south-central France, next to (and surrounded by, for it is on an island) an attractive lake. But the castle once stood on a hilltop, with fine views across the valley below! It was between 1942 and 1952 that the dam of Bort-les-Orgues was constructed, and the valley filled with water.
 
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