11190 siro327


スコクロスター Skoklosters slott(Uppsala/SWE)


 16世紀半ば、グスタフ1世
 ストックホルムの北約70キロのところにあるウプサラの町は、かつてスウェーデンの首都でもあった。  このウプサラに近い湖水地帯に、建物をとりまく庭園と湖水の景観が一体となった静寂なたたずまいをみせてスコクロスターの城がある。  中世には、ここにシート教団の僧院と尼僧院があったところで、17世紀にカール9世からこの地をもらったエストニアの貴族ハーマン・ウアンゲルが石造の城館に改築した。  その後、息子のカール・ウァンゲルの代になって、当時の有名な建築家ヤン・ボレーとニコデムス・テエシンに依頼してつくられたのが現在残っている北欧風のシンメトリックな白い城館である。城の入口はイオニア風の大理石柱を用いた壮麗なものだが、館の3、4階は木造の部屋が多い。城といっても戦いのための備えはまったくなく、建物の前に飾られた大砲、城内の武具のコレクションから往時の面影をしのぶのみである。
 
TABLE