10360 siro399


リンダーホーフ Schloss Linderhof(Graswangtal bei Oberammergau/GER)


 1874年、バーバリアの国王ルドウィックニ世によってつくられたもので、広大なアルプス山麓の自然を庭園にとりいれ、本館の前庭には人工の粋を集めた噴水と石彫を配して、自然と人工を見事に調和させた優雅な構想である。ルドウィックニ世はノイシュバンシュタインのところで述べたように、国政の理想を追って破れた『失出息の王』だが、リンデルホッフもその失意を逃れようとしてつくった城の一つで、5力年の歳月をかけて完成したが、武備はなく城というよりは離宮というべきである。
 主館は後期バロック様式の小さいながら豪華な建物であり、城内のモーロ風の茶室は、王が好んで小憩したところで、金銀、青紅緑の宝石で華麗な装飾が施されている。王の傾倒したワグナー愛用のピアノが今も主館の1室に置いてある。庭園の大噴水もこの城の名物で、定時に巨大な水柱をあげる。
 
TABLE