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パルメラ (Palmela/POR)


  ティジョ川をへだてた、リスボンの対岸の半島で、サド湾にのぞむ漁港セトウバルから北へ10キロほどのところに、丘の上に広がる小さな城郭都市パルメラがある。  町に望む丘のいただきに古くからの城があるが、これはもとはアラブ人にょって建てられたものである。  レイリアの城やオビドスの城と同様に、10世紀なかば、アラブ人の手から奪回されてポルトガル人の手に移ると、いく度かの改築・修築を経て、アラブ風の特徴を減少させていった。そのため現在では、かつてのアラブ風の城塞の面影は少なく、ヨーロッパの塗塁型の実戦的城塞の様式を示しており、その意味でポルトガルの城塞の中でも代表的なものとされている。  高くめぐらされた城壁にはたくさんの銃眼が設けられており、ティジョ川とサド川の間の平野を見下ろすようになっている。テラスからのセトウバルと大西洋の眺めは壮大である。パルメラの古城もリスボンからの古城めぐりのコースに入っているから、観光バスで訪ねられる。
 
 
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